"春の桜、秋のもみじが美しい山々、
清流揖保川といった豊かな自然に
昔ながらの武家屋敷、
白壁の土蔵、町家もそのまま。
日本のふるさと的風景を目にすることができる"
こんなフレーズを
観光ガイドなどで読み、名所めぐり気分で訪れた人は、
かなりの確率でがっかりするかもしれない、
それが龍野という町。
至るところ、
観光名所だらけ、観光客だらけ、
お土産にナイスな物産品だらけとは言い難く、
人影もまばら。
普段着そのまんまの町だ。

ド派手なインパクトはないけれど、
猫がひなたぼっこしていたり、
下校途中の小学生がリコーダー吹きながら歩いていたり
(いつも「赤とんぼ」を吹いているわけではない!)。
旅情をかき立てられるほどでもないフツーの日常。
とことん、ありのままの姿に
この町の底力がある、といえそうだ。

龍野出身の三木露風が作詞した
「赤とんぼ」は、ここが舞台。
側溝やマンホールなどにも
赤トンボがデザインされている。
町を散策しながら、赤とんぼデザインを探すのも
龍野の歩き方のひとつか。

うすくち醬油記念館周辺は
醬油蔵や古い商家などが並ぶエリア。
旧町名の看板
「豆板の小路」「湯屋の小路」も。

龍野御坊圓光寺は、
歴男歴女にはおなじみの
宮本武蔵ゆかりの寺。

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明治時代から続く町の本屋、伏見屋。
書籍が貴重かつ重要な情報源だった昔、
龍野はもちろん遠く出雲から
本を探しにやって来る人も。
龍野生まれ、龍野育ちの三木露風も
ここに通っては、本を購入していたとか、
学生たちのたまり場だったとか、
定時制高校に通う学生が働いていたとか・・・。
要するに、ここは古くから、
文化情報発信基地として、
龍野の知を支え、醸成させてきた場所なのだ。

木造2階建て、創業当時のままの姿で営業中。
2階は木造の回廊が巡らされていて、
重厚な雰囲気。
吹き抜け天井から光が射し込むのもいい感じ。
近代建築好きには、萌え~な物件だ。

ベストセラーや話題の本、
雑誌に参考書、文房具を取り扱い、
町の文化情報発信基地的役割は
現在も十二分に発揮。
龍野や播州地方についての書物コーナーも。

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龍野といえば、まずは淡口醤油。
約400年もの間、この地域を支えてきた
元祖ご当地調味料だ。
まちを歩けば、
醬油蔵とおぼしき建物や煙突、さらには
醬油の自動販売機に遭遇することも。
そして、醬油タウンの集大成的スポットが
うすくち龍野醬油資料館。
昭和初期まで蔵人が使っていたこうじむろや
桶、樽などの道具、文献、資料が一堂に集合。
入館料10円ってところに、
龍野の懐の深さを感じさせます。

品質のいいレザーを作ることこそ、
職人の真髄!とばかりに
ハイクオリティレザーを
作り続けてきた龍野。
オーダーがますます多くなるであろう
エコレザーの増産など、
次世代レザーづくりにも
果敢に取り組んでいる。
既に、アパレル業界など玄人には
その実力を証明済みだが、
一般的な認知という点ではこれから。
伸びしろはまだまだある。

超軟水の揖保川伏流水に作物栽培に適した温暖な気候、
大阪・兵庫など大消費地にもほど良い距離感。
さまざまな要素がピタッとはまり、
生み出されてきたのが、
手延べそうめんや大豆食品、乾麺類。
全国的人気のものから地域限定メジャー商品まで
バリエーションもいろいろ。
いずれにしろ、
一度食べれば、また食べたくなる。
自宅にストックしておきたい日常食なのだ。

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